『鬼滅の刃』柱稽古編OP 『夢幻』に込められた想い(考察)

いよいよ始まった『鬼滅の刃』柱稽古編!
第4期のOP曲は、MY FIRST STORY×HYDEのコラボによる『夢幻』です。

疾走感あふれるロックサウンドに、ノリノリで聴いた方も多いのではないでしょうか。
私も映画館で初めて聞いたときは、「うわー!声でわかるまさかのコラボレーションだ!」と興奮しておりました。

もうすでにお気に入りとなっておりまして、無事にプレイリスト入りしました。

毎日、毎日聴いていると「これってお館様と無惨の心情を表した曲じゃないか…!」と感じ、ぜひ深掘りした上でアニメを楽しみたい!と思いましたので紹介していこうと思います!

※この内容は、アニメの今後のネタバレを含んでいます
※考察は個人の意見によるものです。

前サビ

永遠の意味知らぬ君に
答えを示す時だ
夢幻に続く螺旋の先へ

引用元:歌ネット

この歌詞は、お館様が無惨の夢である”永遠の命を得ること”に対する答えを説くシーンを彷彿とさせますね。(参照:単行本16巻 第137話『不滅』)

【永遠に対する二人の考えの違い】
無惨 :太陽を克服し、永遠の命を得る
お館様:人の想いこそ永遠である

鬼殺隊では多くの人たちが死んでいったが、鬼を滅するという思いは受け継がれていること。その証明として千年もの間、鬼殺隊は無くなっていないとお館様は語ります。

お館様と無惨の考え方はどちらが正しいのか。
この答えは、これまで続いてきた無限とも思える因縁の対決の決着の先にある。

そこに辿り着くのはどちらなのか
そう問いかけている歌詞だなと思いました。

1番Aメロ

言い訳に聞こえた理由は
儚い未来手繰った弱さ
それを強さとはき違えている

引用元:歌ネット

無惨が描く未来

ここでいう”言い訳”とは、
無惨が言った「どれだけの人間を殺しても自分には何の天罰も下っていな」ことが当てはまるのかなと思いました。

また”儚い未来”とは、
禰豆子を手に入れて永遠の命を得る」ことになるのかなと。

無惨の未来を否定する

そして、お館様は無惨の考えを否定しているのだと思いました。

この千年の間、誰にも許されていないし、本来であれば目覚めることがなかった才能たち(鬼殺隊の柱や隊士たち)を起こし、彼らはずっと無惨の命を狙っている。

だから、無惨が思う強さ(永遠の命を得て最強の鬼となること)には到底届かないことを説いていると感じました。

1番Bメロ

憎い 憎い  醜い 醜い
月を隠すほどの
黒く 黒く 淀む 心
君さえ居なければ

引用元:歌ネット

お館様と無惨の心情を描く

ここの歌詞は、お館様と無惨の心情を交互に言い合っているように聞こえました。

無惨は、漫画の中でもお館様のことが憎い、
目障りな存在であると言いますが、お館様は口に出すことはなかったように思います。

それでも、心の中では誰よりも強く無惨を憎く思っていたんだと、単行本16巻 第138話『急転』にて描かれた場面がありました。

だからこそ、その気持ちを強い表現で表している歌詞だなと感じました。

1番サビ

ゆらいでいる ゆらいでいる
花のように意志をつなぐ
奪っていく 奪っていく
嵐のように心を裂く
永遠の意味知らぬ君に
答えを示す時だ
夢幻に続く螺旋の先に
待つのは誰

引用元:歌ネット

鬼殺隊と鬼の闘い

サビでは、鬼殺隊と鬼たちとの闘いを表しているところだと思いました。

花の命は短いといいますが、
短くても精一杯咲き誇ったあと、
種を蒔いて次の命を繋いでいきます。

鬼殺隊も同じように、
命を燃やして闘い、
散っていった人たちが大勢いても、
鬼を滅する想いだけは
後世に繋がれてきたことを
例えているんだなと感じました。

対して鬼たちは、
日常を一瞬にして奪っていく嵐のように
人の命をもてあそんでいく。
心に癒えない傷跡を残していくことを
表現しているんだと感じる歌詞でした。

助詞の違いで感じる物語の展開

最後のほうは繰り返しの歌詞ですが、
冒頭と異なるのは「~螺旋の先 待つのは誰」の部分。

冒頭サビ:助詞「へ」
…ある到達点に向かう経路や方向性
1番サビ :助詞「に」
…ある場所に存在するもの

同じ歌詞だったところでも、
助詞が違うだけで物語の展開が進んでいる印象を受けますよね。

2番、大サビでも助詞が変わっているので要チェックです!

2番Aメロ

生まれ落ちた運命さだめを飲んだ
背負った数の名前を覚えた
爛れるほど心燃やす感情

引用元:歌ネット

お館様の生き様

2番のAメロでは、お館様の生き様を表していると思いました。

一族から鬼を出したために
呪われてしまった産屋敷家。
その当主として生きる運命を
4歳にして決められたお館様の心情は
計り知れないですよね。

そして、お館様は物語の中で
何度も隊士たちのことを
”私の子どもたち”と言っています。

その全員の名前を覚えており、
歩けなくなる時まで彼らの墓参りを
欠かしたことはありませんでした。
(劇場版『鬼滅の刃 無限列車編』の
冒頭で描かれていましたよね)

隊士たちを我が子のように慈しんでいたお館様は、自分が闘えないからこそできる全てのことに置いて最善の限りを尽くしていたと思います。

「爛れるほど心燃やす感情」とは、
お館様の病により爛れている皮膚の様子もそうですが、鬼殺隊に自分の全てをかけている様も重ねているのかなと感じました。

2番Bメロ

憎い 憎い  醜い 醜い
世界を分かつほどの
怒り 怒り 燃やす 心
君さえ居なければ

引用元:歌ネット

より強くなるお互いへの気持ち

1番のBメロのように、
お館様と無惨のお互いへ抱く感情
のように思いますが、
より憎しみが強くなった印象を受けました。

1番で「月を隠すほどの 黒く 淀む 心」
だったのが、
2番は「世界を分かつほどの 怒り 燃やす 心」となっています。

自分の中にあった黒々とした感情は、
世界を変えてしまうほど大きな怒りへと
膨れ上がっている。

お互いさえいなければ、自分の夢が叶うのに!
最終対決への向かう様子に拍車がかかっているようですね。

2番サビ

ゆらいでいる ゆらいでいる
花のように意志をつなぐ
奪っていく 奪っていく
嵐のように心を裂く
永遠の意味知らぬ君に
答えを示す時だ
夢幻に続く螺旋の先で

引用元:歌ネット

助詞の違いで物語の展開を感じる②

1番のサビで紹介したように、
ここでも最後の歌詞に注目してみましょう

冒頭サビ:助詞「へ」
…ある到達点に向かう経路や方向性
1番サビ :助詞「に」
…ある場所に存在するもの
2番サビ :助詞「で」
…ある場所で動作すること

闘いの決着がつく場所で、何が起こるのか。
今後の展開を想像させてくれる歌詞ですよね。

Cメロ

鬼哭きこくに耳を傾けた仕舞よ
この身に宿る万物で終いよ
夢幻を他者に託した弱き人

命の輝きは幾星霜に
祈りの瞬きが照らす斜陽に
千夜に身を宿し解を押し付ける

引用元:歌ネット

お館様の決意と無惨に夢の終わりを諭す

ここでは、お館様の決意の表れと
無惨に夢は叶わないことを諭している様子
ではないかと思いました。

少し聞き馴染みの薄い言葉が使われているので、どんな言葉なのか意味を調べながら考察したいと思います。

鬼哭 :亡霊が浮かばれないで泣くこと1
仕舞い:①物事の終わり ②決着2
万物 :宇宙に存在するすべてのもの3
終い :小説などの終わりを強調する(完結)4

【お館様の決意】
 ・死んでいった人たちの浮かばれない声を
  聞いてきたこれまでに決着をつけるんだ

 ・自分の全てをかけ運命に終止符を打つんだ
  ※お館様は、自身を囮に使って
   無惨へ宣戦布告をしましたよね

【無惨に夢が叶わないことを諭す】
 ・自分中心の考え方をしており、
  上手くいかないことは
  他人のせいにするだけの弱いものに
  夢を叶えることはできないことを諭す

人々の願いを胸に決戦へ

幾星霜:苦労を経た上での長い年月5
斜陽 :①西に傾いた太陽
    ②没落しつつある6
千夜 :数多くの夜7

西の空に日が落ちるとき、
人々は”これから鬼が襲って来る、
恐ろしい夜が来ないこと
”を
祈り続けたのだと思います。

そして、鬼殺隊は誰もが安心して
過ごすことができる世界にするため
命をかけて闇夜に鬼と闘い続けてきました。

そんな数多の夜があったことに思いを馳せ
無惨との闘いに臨む姿を表していると思いました。

大サビ

枯らしていく 枯らしていく
夢幻の夜に花を咲く
繋いでいく 繋いでいく
嵐に種を撒いていく

ゆらいでいる ゆらいでいる
花のように意志をつなぐ
奪っていく 奪っていく
嵐のように心を裂く
永遠の意味知らぬ君に
答えを示す時だ
夢幻に続く螺旋の先で
待つのは誰

引用元:歌ネット

闘いの激しさを物語る

大サビでは、すでに最終決戦への火蓋が切って落とされたことを表しているのではないかと思いました。

激しさを増す闘いにおいて、
命の火を燃やして散っていくものがいる。
それでも、生き残ったものたちが
無惨を倒すために意志を継いで闘い続ける。

最愛の人たちが死んでいくのは
心を引き裂かれるような悲しみだけれど、
無惨を倒すまで諦めない様子が思い浮かびます。

助詞の違いで物語の展開を感じる③

冒頭サビ:助詞「へ」
…ある到達点に向かう経路や方向性
1番サビ :助詞「に」
…ある場所に存在するもの
2番サビ :助詞「で」
…ある場所で動作すること
大サビ :助詞「で」

大サビは2番と同じ助詞の「で」が
使われていますが、違いはその後に
「待つのは誰」と続くこと。

無惨との決戦の最期に待つのは誰で、
何が起こるのか。
今後の展開がますます気になる終わりですね。

OP映像に合わせてリピートするしかない!

うわー!
なが~く続けてきた考察ですが、
皆さんは『夢幻』を聴いてどんなことを感じたでしょうか?

まだまだ考え切れていない部分もあると思いますが、こんな解釈もあるんだなー!くらいに思っていただければと思います。

柱稽古編は、次に繋がる大切な物語が詰まっているので、その点にも注目しながら見てみてくださいね。

【参考】
・単行本16巻 第137話『不滅』~第139話『落ちる』
・鬼滅の刃 公式ファンブック 鬼殺隊見聞録・弐

  1. 参考:コトバンク ↩︎
  2. 参考:コトバンク ↩︎
  3. 参考:コトバンク ↩︎
  4. 参考:例文買取センター ↩︎
  5. 参考:コトバンク ↩︎
  6. 参考:コトバンク ↩︎
  7. 参考:コトバンク ↩︎

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